11:25サマワに向けて出発する。
途中いくつかチェックポイントを通過するが、
今までアメリカ軍によって警備されていた場所がイラク警察にハンドオーバーされて
いた。警戒はゆるくなってしまうだろうが、地元人の感情は良いだろう。ガソリン
タンドも地元のイラク警察によって警備されていた。警備していた警察官は僕にIDを
見せて、「アメリカ軍が発行してくれたものだ」と説明してくれた。

サマワまであと50キロ程のところで事故が起こった。
30台近い米軍のトレーラー
が通過していった時、そのうちの一台がクルド人が運転する車と接触して、車を横転
させてしまったようだ。狭い道で米軍車両が無理な追い越しをしたのが原因のようだ。
100歩譲って、接触していなくても米軍車両の追い越しによって事故が起きたのは
間違いない。勿論、米軍車両は止まらないし、地元のイラク人のアメリカ軍に対する
怒りは爆発すてしまう。こんな事故が増えれば、ますますアメリカ軍に対する攻撃は
激化するだろう。日本の自衛隊が同じようなトラブルを起こさないことを祈るばかり
だ。恐らく、日本人なら、もしもの事があっても責任をとってくれると信じるが。
サマワに入ると予想以上の日本人歓迎ぶりに驚く。もともとイラク人は日本人に好
感をもっていてくれたが、今のサマワの歓迎ぶりは異常だ!今までもイラク人と握手
することはよくあったが、イラク人にキスされたのは初めてだ。(勿論男性だけど)
しかも出会ってその瞬間に!サマワの人たちの自衛隊にたいする期待度は僕たちが想
像する以上だと思う。街中でインタビューしても「自衛隊が俺達に職を作ってくれる
のを期待しているんだ」という答えが多かった。
サマワは小さな街だが、とても活気
がある。パキスタンのクエッタという街と同じくらいかなーと思った。
テレビでは失
業率が80%だとか騒いでいるが、それほど大変な街とは思えない。勿論、かつての
イラクの繁栄を考えれば、酷い状態なのだろうが、パキスタンの田舎街やアフガニス
タンにはもっと大変な場所が一杯ある。僕が知らない国にも沢山あるだろう。そんな
中で何故イラクだけに人道支援の為に自衛隊が派遣されたのだろう。ともあれ、予想
以上の期待感をもっているサマワの人たちの要望にどう答えていくかによって今後の
自衛隊そして日本人に対するイラク人の感情が変わってくるだろう。
半日だけサマワの状態を見ただけで、夜ラジオにレポートをしなければならない。
どうしても情報不足が否めないので、日が暮れた後で(治安に心配はあったが)ホテ
ルを出て近くにチャイを飲みに行く。
夜でもサマワは非常に治安がよさそうだ。そう
見えるのが恐い。バグダットではかなり反日感情をむき出しにされた。サマワにも反
日感情を持った人がいるのが当然だと思う。彼らがいつ急変するのか、それを考える
と平和すぎるサマワが余計に恐い。チャイを飲みに行ったお陰で、サマワの人たちの
声を聞くことができた。しかし大変なのは中継をする時間がイラク時間の午前2時だ
ということ。一度眠りにつくには中途半端な時間なのだが、寒いのでベッドの中で中
継の時間を待つ。ちょうどウトウトし始めた頃電話が入ってきた、眠さをこらえなが
らレポートをする。レポートをしていると待っていてかのように銃声が2発。そして
驚いた犬の鳴き声が飛び込んできた。レポートは無事に終わり、眠りにつく。長い一
日だった。
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