久保田弘信・最近の出来事
4月17日

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4月17日 「イラクはまさに泥沼状態!」
名古屋の東海テレビでの生出演を終え、新幹線で品川に向かい、今飛行機で帯広に向かっている。帰国したらしばらくゆっくりとしよう。などと思っていたが、とてもとてもそんな余裕はなくなってしまった。東海テレビはタクシーを用意してくれて、生出演が終わった後すぐに名古屋駅に向かう。局の人は間に合いますからと言ってくれたが、僕は芸能人ではないので分単位の移動にはなれていない。名古屋駅に着いたときには新幹線の発車まで後二分。かなり緊張したよ!番組は峰隆太さんが司会で浅井愼平さんがゲストで呼ばれていた。浅井愼平さんと言えば写真界の大御所!僕からすれば直接お話するなどもっての他というくらいの人物。今までのテレビとは違った意味で緊張した。本番前の打ち合わせが終わった後、二人でお話する時間があったが、僕が「未だにデジタルではなくフィルムが好きなんです」と話し、「若いのに珍しいですねー、やはり銀塩がいいねー」と話してくださった。番組は解放された3人に対する自己責任の問題などが扱われた。残念なことに十分な時間がなく、僕の想いをすべてお話することはできなかったが、ミーハーな僕は峰さんや浅井愼平さんに会えてとてもうれしかった。テレビで語りきれなかったことは以下の日記に記します。

3人の人質が解放されたものの、また新たに二人の日本人が拘束されてしまった。そのうちの一人安田君は僕が初めてイラクを訪れるときに一緒だった人だ。 僕以上にイラクが大好きでイラク人の目線で取材できる人だと思う。週刊新潮の記事には解放された3人の過去が全て悪く書かれていた。そのうち安田君も書かれてしまうのかなー?僕が拘束されたり、最悪の事態になったりした後、色々と過去のことまで書かれるのはいやだなー!そういえばかつて職務中に亡くなってしまった奥さん、井上さんはどうだろう。この二人のことを悪く書いた記事はあまり見かけない。政府の人間は良くて、民間人は叩くネタを探されるのだろうか?

Y新聞には”問われる「自己責任」”という大きな見出しのもとに国民は外務省の退避勧告に従うべきだという記事が書かれていた。外務省は昨年2月14日(バレンタインデー、関係ない)にイラク全土に対して退避勧告を出した。これは外務省が出す危険情報の中で最も危険度が高い場合に出される勧告だ。確かに外務省の勧告を無視してイラクに入った邦人はその自己責任が問われる。ジャーナリストは勿論、仕事に関わる危険は承知で渡航している。その他の人、すなわちイラクで人道復興支援の為に活動している人たちはどうだろう。僕の友人の相沢君も現地で活動をしている。彼等も間違いなく身の危険を承知でイラクで活動している。危険を考えてもイラクの人たちを助けたいという思いがあるから。
ここで一つ思うのは政府、マスコミに責任はなかったのか?ということ。外務省から退避勧告がだされたものの、政府の見解は「サマワは安全です。我々は非戦闘地域に自衛隊を派遣しているのです。」これにならいマスコミ各社は毎日のように安全で人懐っこいサマワの人たちの映像を流し続けた。テレビを見た日本国民はどう思うだろう?僕自身イラクに行ったことがなかったら表面上の安全にだまされていたかもしれない。人質事件が発生する前のニュースを思い出していただきたい。事件が発生する前も勿論「待避勧告」は出されていた。しかしサマワで通信社が攻撃予告を受けたニュースは流れただろうか?サマワで、バグダッドで毎日のように銃声が響き、あちこちで多くの人たちが負傷、死亡していくニュースがどれほどあっただろうか?そんなニュースばかりをみていたら、「私もイラクに行って、イラク人を助けたい」と思う人が増えてもおかしくない。中途半端な審議のなかで派遣された自衛隊が行っている地域が安全だ安全だと繰り返しいい続けてきた政府とマスコミに大きな責任があると思う。

「テロに屈せず」という態度を貫いた結果人質が解放されたと書かれてあるが、高遠さんや相沢君のような民間の日本人がイラクの人たちを助けていたことによってイラク人がどれほど日本人に感謝の意を持っていたかは書かれていなかった。自衛隊に感謝しているのはサマワの人たちだ。バグダッドでは自衛隊もアメリカ軍と同じだ!と考えている人も多い。今回人質解放に声を上げてくれたのはどこのイラク人だろう。首都バグダッドでまで日本人の信用が失われていたらイラク・イスラム聖職者協会が人質の解放を呼びかけてくれただろうか?イタリア人が殺されて、日本人が解放された意味をちゃんと考えるべきだろう。勿論日本政府の水面下での活動の成果もあっただろう。しかし一切発表されない活動はなかったと判断せざるを得ない。
 高遠さんは再びイラクでの活動を続けたいと言った。「嫌なこともいっぱいされたけど、イラク人を嫌いになれない」と。小泉首相はこの発言に対して、これだけ迷惑をかけたのだから自覚を持って欲しいと発言。確かに国としては迷惑を被ったかもしれない。しかし自衛隊が歓迎されたり、アメリカや日本に対する批判が日に日に強まる中で高遠さん達の活動があったからこそ何とか日本人に対する信用が保たれている気がする。

イラクに限らずアフガニスタンでもそうだったが、大きなNGOの手の届かない所、支援の手を差し伸べてもらえない人たち、そんな人たちを個人的に助けている人が沢山いる。亡くなられた外務管は復興支援はモースルなど北部の大変な地域でするべきだと提言していたそうだ。しかし実際はサマワという比較的安全で裕福な街が選ばれた。大きなNGOでしかできない支援活動は多々ある。もしかしたら自衛隊も必要かもしれない。最も支援を必要としている人たちを助けているのは個人で活動している人たちだというケースが往々にしてある。かゆいところに手が届く感じである。国と国は利害関係で成り立っていることが多い。そんな中で利害を超えて国と国を結びつけているのは民間人ではないだろうか?


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